SCHOOLお菓子教室

シフォンケーキと私

アメリカの本

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本を整理していたら、奥の方から少しくすんだ黄色い表紙の本が出てきました。
何の本だろうと不思議に思い開いてみると、全部英語で書かれているではないですか!!!!
 こんな本いつ買ったのかと、考え込んでしまいました。
 買い求めた記憶がないのです。

 一瞬、私ぼけた???と、思ったほどです。

  
 題名は、「The Brown Derby Cookbook」
 中を見ると、料理とお菓子の作り方が書いてあり、最後の方に、シフォンケーキのレシピが五種類ほどのっているではありませんか!


 これ、私が欲しかった本だ!!!!
 そうだ、私がアメリカへ行ってシフォンケーキのルーツを調べたいと言っていたら、友人のご主人が、アメリカで手に入れてくれた本だ!
と、思い出しました。

 
     こんな大事な本を忘れていたなんて。。。

アメリカでのシフォンケーキ

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シフォンケーキに興味を持ち始めると、シフォンケーキについていろいろなことを知りたくなります。

 シフォンケーキって、どこの国のお菓子????
 誰が考え出したの????

 その頃覚え始めたパソコンで、シフォンケーキのことを調べ始めたところ、アメリカでシフォンケーキを作っているという方(E.Kさん)を見つけたのです。彼女と早々に連絡を取り、アメリカへ会いに行って来ました。
 
 
とても親切な方で、シフォンケーキの作り方を見せていただいた上に、シフォンケーキに関する情報も教えてくださいました。
 息子さんが、仕事の関係で日本語が少しわかるのが嬉しかったです。

 
   その方から、シフォンケーキについて教えていただいたのがきっかけで、シフォンケーキの情報を得る事ができ、私のシフォンケーキの旅が始まったのです。

ハリーベイカー

  アメリカから帰国後、E.K.さんからメールをいただきました。
 そこには、シフォンケーキを考え出したハリーベイカーさんの記事が載っていたのです。ヨセフハートさんというライターの方が書いたものでした。

 
 ハリーベイカー氏の写真や生い立ちが書かれていて、
シフォンケーキを作って住んでいた街や、お菓子を卸していたレストランのこと、
シフォンケーキが海を越えてハワイや日本にも伝わったこと、
製粉会社にレシピを売ったことなど興味深いことがいろいろ書かれていて、
ハリーベイカー氏が住んでいた街やレストランへ行ってみたい!
                      と、思ってしまいました。

 
   お話を聞きたく、早々にヨセフハートさんに連絡を取ったのですが、だめでした。残念!
 でも、インターネットでハートさんの記事が見れたので、ハリーベイカーさんのことを知ることができました。

ロスアンゼルスとハリーベイカー氏

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  友人に、「アメリカのロスアンゼルスにいかない?」と、誘われ、

   「ハリーベイカーさんが住んでいた街に行けるかしら」

と言うと、『ハリー氏の記事を載せた新聞社に連絡を取ってみたら?」と、
アドバイスをくれました。
 
 わたしの英語が通じるかしらと不安になりながら、つたない英語でメールを送ってみたところ、3日後に、会ってくれるという嬉しい返事が届いたのです。

 
  ロスアンゼルスで、友人とそのいとこさんに(ロス在住)新聞社まで連れていってもらい、通訳までお願いしてしまい、とても助かりました。
  
  Janeさんという方にお会いして、「ハリーベイカー氏について教えていただきたくて日本から来ました」と、伝えると、親切にいろいろ案内をしてくれたのです

 
  ハリーベイカー氏が住んでいたところは、今は駐車場になっていて、
 ケーキを卸していたレストランは、ドーム状の外観だけがビルの屋上に置かれ残っているという現実をみて、時の流れを感じました。
 
 そして、なかなか行くことができないハリウッドにも連れて行って頂き、スターには会うことは叶いませんでしたが、有名な人の手形の前で写真を撮り、とても素敵な日を過ごすことができました。

 
 

Larchmont Chronicle

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 Larchmont Chronicleの方が、ハリーベイカーさんの足跡を案内してくれた上に、私のことを記事にしてくれました。

〝TOKYO BAKER EXPLORES HISTORY OF CHIFFON CAKE” と。

 
 「ああ、数十年前、ここでハリーベイカーさんが、、、」と、頭の中で思いを巡らせ、想像し、感じることができただけでも満足でしたのに、
ハリーベイカーさんが載った同じ新聞に掲載されるなんて!!!
 
  池袋で開業して、10年目(2008年)の、記念すべき出来事でした。

NHKテレビ

 ある日、テレビ局の方がシフォンケーキのことで訪ねていらっしゃいました。
  どうしてわたしのことを知ったのですか?と、聞くと、Larchmont Chronicleの記事を見たとのこと。
          ビックリしました。!!!!!!   
  数年前のロスアンゼルスの出来事が、日本の人に知られているなんて!

 番組制作のために、シフォンケーキについて色々調べているうちに、私のことを知ったとか。。。
 テレビ局の方といろいろお話をさせていただき、当店のシフォンケーキが番組の中ででることになりました。
 
   放映された番組を見てビックリ!
   画面に、シフォンケーキとハリーベイカー氏のことについて話しているJoseph Hartさんが映っているではないですか!
 
   さすがテレビ局、私もお会いして話が聞きたい、と、思ってもかなわぬ夢と、諦めました。
 
   ロスアンゼルスでのハリーベイカーさんについての旅は、
               私にとって、とっても大切な思い出の一つとして、心に刻まれています。

シフォンケーキのケーキ型

型

*シフォンケーキの型

 中央に筒があり背の高い型で焼いたものがシフォンケーキだと思っていませんか?
 
 一般にはそうかもしれませんが、シフォンケーキはどんな型でも焼くことができるので、形にはとらわれません。
 シフォンケーキは、植物油を使うというのが特徴なので形のことではないのです。

  アメリカの雑誌等を見ると、シフォンケーキの生地をいろいろな型に入れて焼いたり、ほかのお菓子の土台にしたりと、様々なものが載っています。それをヒントに、私もシフォンケーキの生地で苺のショートケーキやロールケーキを作ったり、クグロフ型などを使ったりと、アイデアを駆使しています。
 
 シフォンケーキは、1920年代アメリカで、ハリーベイカーという人がエンゼルケーキを基に考え出したと言われています。
 そのエンゼルケーキの型を使ってシフォンケーキを焼いていたので、日本ではその形がシフォンケーキだという考えが固定してしまったのではないのでしょうか?
  
 以前、生徒さんがアメリカでシフォンケーキの型を買おうとしたら、エンゼルケーキの型はあるけどシフォンケーキの型はないと言われたそうです。
 
  現在のアメリカでは、シフォンケーキは過去のお菓子になってしまっていて、知っている人は少ないそうです。
 
  アメリカのエンゼルケーキ型は普通のお菓子より倍くらいある大きな型でしたが、日本でシフォンケーキ用の型が作られるようになると、大中小といろいろな大きさのものが手に入るようになりました。

 
 丸い型だけでなく、ハート形もあるのがうれしいです。

 ある時、お菓子教室にいらした方が、かわいい花形の型を持っていらっしゃいました。「どこで買ったのですか」と聞くと、ベトナムで買ったとのこと。 

 仕事でベトナムへ行くという友人夫婦に便乗して、型を売っていたという市場に連れて行ってもらいました。そこでいろいろな形のケーキ型をみつけました。
 中央に筒がある花形のものは、蓮の花というお菓子を作るときに使うのだそうです。 

 旅行中にベトナムのお菓子屋さんで、シフォンケーキを教えることになった時その型を使いました。
  出来上がったシフォンケーキをショーケースに保管していたら、来店したお客さんが売り物のケーキと間違えて買おうとしたので、あわてて
 
    「これは売り物ではない」と説明していました。

 とっても残念そうに帰っていくお客さんを見て、彼は、作ったら売れるのではないかと思ったようです。

 
           今、どうしているかなぁ~。




クグロフ型

  フランスの語学校で知り会ったドイツ人家庭へ招かれた時、シフォンケーキを作ることになり、型をどうしようかと探したところ、シフォンケーキの型と同じように、中央の筒が周りより高くなっていたクグロフ型があったので使ってみました。
 
  日本の型とは違って周りの模様がきれいに出て、ちょっと素敵なシフォンケーキになりました。
 
  手で優しく外すことができたので、複雑な模様が出たのだと思います。

エンゼルケーキ

*エンゼルケーキは、どんなお菓子?

  エンゼルケーキは、200年以上も前にアメリカで生まれたお菓子です。
 
  ペンシルバニアダッチと呼ばれる人たちが、ヌードル(麺)を作るのに卵黄を使い、あまった残りの卵白を利用することから考え出されたそうです。
 
  卵白だけで作ったケーキは白くふわふわと軽く、天使の食べ物にふさわしいということからエンゼルケーキという名がつけられ、その白いお菓子のために作られた型を、エンゼルケーキ型と言いました。

  ハリーベーカー氏は、シフォンケーキを作るのにエンゼルケーキを基に考えたということなので、そのままエンゼルケーキの型を使ったのでしょう。

 エンゼルケーキは、私にとってとても思い出深いお菓子の一つです。というのは、私が、お菓子作りを習い始めたときに最初に教えてもらったのが、エンゼルケーキだったのです。
  その時使った型はドーナツの様なリング状のものでした。40年位前、お菓子の道具が豊富にはなかった時代、日本の中にあるもので作ろうとしたら、エンゼルケーキと同じ様な中央があいている形のものは、その型しかなかったのだと、思います。

 その頃、営んでいた店で料理の都合上卵白が残ったので、その卵白でエンゼルケーキの練習をよくしたものです。上達してうまくできると売ったりして、、、。
 
      懐かしい思い出です。

*シフォンケーキとの出会い

 私が初めてシフォンケーキというお菓子と出会ったのは、子供が小学校に通い始めたころ。

 ‘お土産!と、友人が買ってきてくれたお菓子を見てビックリ! いつも食べているケーキの倍位ある大きさで、口に入れると、今まで食べていたケーキにはないフワッとした柔らかい食感、口に広がるかすかな塩味。

 友人曰く、「これは、今、東京で流行っているシフォンケーキと言うお菓子だよ」

 かすかな塩味と、口の中でスーと溶けていくような感じがケーキの大きさを感じさせず、いくつでも食べてしまいそう。その日から私には、シフォンケーキが忘れられないお菓子になりました。

 雑誌などにシフォンケーキが載っているのを見ると、「シフォンケーキを作ってみたい!」と、思うようになり、当時通っていたお菓子教室の先生方に作り方を聞いて回ったのですが、

   「シフォンケーキ?知らないなぁ。それってどんなケーキ?」

と、逆に聞かれてしまうのです。どうして?どうしてお菓子の先生が知らないの?フランスや、スイス、ドイツなど、いろいろな国で勉強してきた人達なのに、どうして?

 

 そんな疑問を抱えたままシフォンケーキを作ることをあきらめかけた頃、一人の先生が「次、シフォンケーキの講習をします。」と、言うではありませんか。やっとシフォンケーキが作れると思うと、嬉しくてレッスンの日が待ちきれませんでした。
 
 教えてくれた方は大きなホテルのシェフで、作ったものはシナモンのシフォンケーキ。シナモンはあまり好きではありませんでしたが、シフォンケーキを作れるというだけで、大満足。

 洋菓子というとバター(脂)を使うのに、シフォンケーキは油を使うと知り、ビックリしました。

 その頃には、チラホラ雑誌にもシフォンケーキが取り上げられたりしていましたので、先生に教えてもらった作り方を基に、本に書かれているものを参考にしていろいろな種類のシフォンケーキに挑戦してみました。